家は変化し、成長を続ける

2011.11.11

周囲の環境から距離を置き、手なずけられた光と過ごす状況と、生々しい街の空気が入り込んでくる状況が生まれる。この特別な開□は抽象的な外観をつくり出すための方法でもあるのだろうが、繁華街の一角という特殊な土地を選び、そこに住まうことを決意した住まい手の意思を引き受けたものだろう。街の中にはっきりと姿を現しているのに住宅には見えない。見えているけれども見えていない、擬装(カモフラージュ)された家。これは美しい街並みを望むべくもない現状、そしてエンターテインメントの場と化した街に、いかに住まいがありえるかを示したひとつの批評であるといえるだろう。

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狼雑な都市の中に生きることを選んだ家族のための、小さいけれど屹立した存在になっている。「住みつづける家」は「住みつづけられた家」ではない。結果として長く住まわれた家、あるいは物理的に長寿命なだけの住まいでもない。住まい手の強い意志が込められた言葉である。建築家は住宅を設計し、でき上がった建物を施主に引き渡す。しかし建設の完成は建築の終わりを意味しない。たとえば未完成でありつづける家、次第に成長していく家がある。あらかじめ計画されたフレキシビリティではなく、自らを傷つけながら切除手術、移植手術を続ける住まい。古びてしまい、機能を果たさなくなったものを「再生」するという外からの視線ではなく、変化させつづけること、そこで共に時を重ねていくこと自体が自らの生活と一体化している住まいがある。成長していく街並みがある。




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