自宅の近くに新幹線が通ったら。自分の住む家やアパート、マンションのすぐ近くに、ある日突然、新幹線の高架橋がつくられる事態になったら、どんなことになるか想像がつくだろうか。まず、工事期間中の問題である。突貫工事が連日連夜行われることになるため、大型重機の騒音や振動により半ばノイローゼ状態になってしまうのではないだろうか。次の問題は、完成後の騒音だ。早朝から深夜まで、ものすごいスピードで列車が通過するのである。
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熟睡できなくなるのは、目に見えている。さらに振動だ。その状態で長く住み続けていると、水道管が地中で沈下したり、管がはずれたりして、漏水の恐れがある。パンタグラフが架線をこするときに生じる音と火花も厄介だ。これが気になって、勉強が手につかなくなった受験生もいる。音や振動ばかりではない。新幹線の架線は高圧電流が通っているので、テレビの映りがとたんに悪くなる。有線でないと、画面がチラチラ揺れて、とても見られたものではない(この問題は、要求すれば、有線化への工事費、加入料金等を工事する側か払ってくれることにはなっているが……)。またトンネルの出入り口近くに住んでいる住民の場合、車両がトンネルに出入りする際に空気を抜くことから発生する超低周波音が、知らない間に人体に被害をもたらす例もある。体調がどことなくおもわしくない、そう思って調べてもらったら、この低周波音が原因だったという事例もいくつか報告されているのだ。私はかつて新幹線の工事を監督する国の外郭団体の責任者に、こう聞いたことがある。「もし、あなたとその家族が、新幹線の線路わきに家を構えることになったら、耐えられますか」その責任者は、キッパリこう述べた。「私だったら、とても住めません」工事に携わっている人間でさえ、その環境破壊のひどさを認めているのである。
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